あみだくじで海外女一人旅

あみだくじで決めた海外に女1人で行ってきます。

人はなぜ旅に出るのでしょうか。

時は遡ること2016年。

 

天皇が退位への「お気持ち」を表明した年、私は大学4年生でした。

特に就職氷河期でもなく、3月には内定を頂き、そのまま8月お盆明けから内定者アルバイトを始めました。

 

最初はラクでした。

そりゃ、内定者といえどもまだ内定辞退する可能性もある8月。

『お客さま』だったから。

 

だけど、9月…10月…11月…と時間が過ぎていくうちにだんだんキツくなってきて、でも一応大学には通っていて学生で。

その期間は社会人への扉を少し覗き見しているような感覚でした。

 

そんなとき、働きながら『どこか遠いところに行きたい。それは今しかできない』と思いました。

 

ま、「今しかできないことがある」と思って何かに励むことは学生あるあるだと思いますが、それだけでなく、先が見えている社会人生活から逃げ出したくなったというのもあります。

 

そのあとの事は今までのブログ通りになります。

・あみだくじで旅行先決めて、

・さっさと卒論書き上げて、

・ヨーロッパへ✈

 

実は帰国した翌日から内定者アルバイトを入れていました。時差ぼけに勝てず寝坊しましたが(笑)

 

そのまま時は過ぎ卒業、引っ越し、入社。。

 

内定者アルバイトなんて序の口で、入社してからの方がもっとキツかったです。

当たり前。

 

営業目標、テスト、研修、意図していない異動。。

部署の半数が一気に退職したり休職して究極の人手不足なんてこともありました。

労働時間がキツかったり、同期に比べて昇格が遅れたり、電車の中で涙が止まらなくなることもあるくらい本当に大変でした。

 

これが俗にいう社会の荒波なのかもしれない。。

 

そんな時、ふと思い出すことが、大学生の時行った『旅行』でした。

 

あのとき買ったマグネット。

ずっと玄関に貼っていたおかげかもしれないです。

 

始発に乗るために朝4時半に家を出た早朝も、終電で疲れて帰ってきた深夜1時過ぎの真夜中も。 

いつも目に飛び込んできたのは、チェコの風景画(マグネット)でした。

 

見る度にあの旅行で感じた『世界は広い』ということを思い出させてくれました。

 

そして、『別に今いる場所がすべてじゃない』と。

 

そうしたら気持ちが軽くなって、『別にいつだって辞めてやる!』って思えました。

 

それからいたずらのように時は過ぎ、2019年天皇が退位をされた年、私は社会人3年目になりました。

 

今でも思います。『いつだって辞めてやる!』と。

だけど、電車の中で泣くことはなくなりました。今では同期と同じ職位になりました。

 

踏ん張ることとか、石の上にも三年なんて言われていることとか、そういうことを言いたいのではなく、『視野を広く持つ』こと。それがきっと気持ちをラクにさせてくれるのではないかなと思います。

 

そのお手伝いをしてくれるのが旅であり、旅の持つ力なのだと思います。

 

よく『旅行は形に残らないからなぁ』と言う人がいます。

 

一理あると思います。

 

だけど、美しい風景・その土地の空気・自分の中の常識が常識でなくなること…そういった「体験」や「経験」は目に見えない資産となり、いつまでも消えない色褪せない宝物になっていくのではないかなと思います。

 

そして、巡り巡ってその宝物に助けられることもあるのだと思います。

 

 

だからこそ、人は旅に出るのではないでしょうか。 

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